2010年7月12日月曜日

劣化ウラン弾についてのメモ

劣化ウランは「核のくず」とか言われて、「放射線レベルが低いので自然被爆程度の害しかない。」とかいう意見をネット上でみかけます。同じように砲弾に使われるタングステンと同程度の重金属毒性しかない、とか。

ただ、湾岸戦争後にイラクで癌や奇形児が増えているのは事実。
http://web.mac.com/takana_gohan/iWeb/AfterIraqWar/Introduction.html

なにが正しいんだろうか?と疑問に思い調べてみましたが、やっぱり劣化ウラン弾には化学的毒性と放射線による被害(内部被ばく)の両方があるようです。

化学的毒性
「被害の原因は、ばっさりと言えばウランという元素が(化学的)毒物だからです。その意味では、劣化ウラン弾被害は、枯れ葉剤・ダイオキシンの被害と異なるところはありません。放射能をもつ元素たちのなかで、「放射毒性」よりも「化学毒性」が上回るのは、唯一ウランだけであることは、すでに何十年も前から放射化学者、放射線影響学者にとっては、常識の一つなのです。」
http://www.nava21.ne.jp/~tokuda/chon/hayasi/other/d-uran.htm


内部被ばく
「内部被曝は、水や食べ物に放射性物質が含まれていて、それを飲んでしまう。空気中に含まれている浮遊している放射性物質を呼吸で取り入れてしまう。こういうふうにして体の中に入った放射性原子が体内で放射線を出す。これが内部被曝であります。」
「内部被曝では、アルファ線、ベータ線が非常に大きな被曝を与えます。核分裂生成原子の場合、ベータ線が圧倒的多数でガンマ線が付随している状況で、ベータ線、アルファ線には被曝の局所性と継続性があるわけですから外部被曝に比べて極端に大きな被害形態であることを強調したいと思います。」
http://www.geocities.jp/hokkaihankakuishi/yagasaki.html

「文部科学省の外郭団体である科学技術振興機構による「原子力百科事典」によると「劣化ウランの放射線障害は主として透過力の小さいα線によるものであり、外部被ばくはほとんど問題にならない」と書かれていますが、続いて「経口または吸入摂取した場合には内部被ばくを受ける」となっています。α線は透過力が小さいと言っていますが、体内に入ってしまえば透過力が大きくなくても影響を与えることが可能で、またα線はエネルギーが高いので突然変異を引き起こす可能性が高いことが懸念されています。」
http://homepage.mac.com/travellers/blog/C1038363525/E2015648311/index.html

「直径5μmの劣化ウランの微粒子が細胞に付着している場合を考えると、この微粒子は1年間に約500回のα線を放射します。アルファ線の到達距離からすると、アルファ線を受けるのは、微粒子の周辺の数十個の細胞であると考えられます。したがって、近傍の細胞はほぼ確実に遺伝子の変異を引き起こすようなα粒子による打撃を、1年間に数回から十数回程度、集中的に受けることになります。激しく遺伝子が破壊された細胞は死滅しますが、生き残った細胞は、前癌細胞へと変化する可能性を非常に高めることになります。」
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/UMRC/du_human_effect.htm

内部被ばくということを考えると、癌の多発や米兵の「湾岸戦争症候群」も説明がつきます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/湾岸戦争症候群


まだまだ調査そのものが行われていないか、あるいは政治的に情報が公開されないせいか、データが少なくはっきりとした因果関係は言えないようですが、劣化ウラン弾はイラクで癌や奇形児が増えている有力な容疑者だと思われます。

0 件のコメント:

コメントを投稿